富山県射水市のアパートで9月20日にベトナム人男性が暴行され負傷する事件があり、県警射水署が同21日に殺人未遂容疑で逮捕したベトナム人技能実習生ら4人について、
逮捕前の任意聴取が終わった後も令状がないまま最長24時間余り、署内の取調室に留め置いていたことが分かった。
県弁護士会が「事実上の逮捕で違法捜査」と批判し、県警と富山地検に抗議した。  
9月20日未明、同市のアパートで当時27歳のベトナム人男性が頭から血を流して倒れていたのが見つかり、県警は9〜10月、県内に住むベトナム人14人を殺人未遂容疑などで逮捕。
うち7人が凶器準備集合罪などで起訴され、現在も捜査が続いている。  
弁護士会によると、14人中4人は20日から21日未明にかけて同署で任意聴取を受けた後、約12時間〜24時間半、令状がないまま取調室に留め置かれた。2人はその後一時帰宅したが、外出時に警察官が付き添うなど監視を続けた。  
4人は21日夜に逮捕され、富山簡裁が勾留を認めたが、担当弁護士は「逮捕手続きに重大な違法行為がある」などと全員の勾留取り消しを求めて準抗告。富山地裁はいずれも、
逮捕しない状態での留め置きに問題はあったと認定しつつ、「緊急逮捕する要件が備わっていたと考えられることなどから、勾留請求を違法とするほど重大なものとはいえない」
などとして棄却したという。  
富山県警は2020年にも殺人などの容疑で任意聴取したベトナム人技能実習生を逮捕前にホテルに宿泊させ、警察官の監視下に置いて任意聴取を長時間繰り返した。
この事件では富山地裁が弁護側の準抗告を受けて地検の勾留請求を却下した上で、容疑者を裁判官の職権で勾留。県弁護士会は県警と地検に抗議する会長声明を出していた。  
今回の問題でも足立政孝会長が抗議声明を出し、「昨年と同様の捜査を行ったことに驚きと憤りを禁じ得ない」と批判。県警は取材に「法と証拠に基づいて捜査している。
個別の事案については回答を差し控える」、地検も「回答は差し控える」とした。

https://news.yahoo.co.jp/articles/84eab5877d473e4015b986024700df862398e3a1