ひろゆきを「難しいことをわかりやすく教えてくれる最高の知識人」に仕立て上げた大手メディアの末路

2ちゃんねる創設者のひろゆきさんが今人気だ。文筆家の御田寺圭さんは「地上波の有名人としてのポジションを確立している。世の中の“インテリ嫌い”の空気を味方につけたことが背景にある」という――。

「2ch管理人」から「お茶の間の物知り兄ちゃん」へ

いま「ひろゆき」が、お茶の間で急速に認知度と好感度を獲得している。

「ひろゆき」とはほかでもない、匿名掲示板「2ちゃんねる」の創設者である西村博之氏である。テレビを見ない人には信じられないかもしれないが、現在の西村氏はテレビをはじめとする主流メディアで引っ張りだこの人気タレントの仲間入りを果たしている。

知る人ぞ知る「2ch管理人」だった西村氏は、もはや「アングラ・ネットの有名人」の枠をすでに飛び越えて「地上波の有名人」としてのポジションを確立している。パンデミックのなか、芸能人の別室からのリモート出演のスタイルが定番化しているという時代の変化も彼の追い風となったのか、在住している遠く離れたフランスからインターネット中継で出演する氏のスタイルは、とくに抵抗感なくお茶の間に受け入れられたようだ。

西村氏はいま若者層を中心としてファンを急速に拡大していることは事実である。たとえば、ソニー生命によるアンケート調査「中高生が思い描く将来についての意識調査2021」では、「将来のことを相談したいと思う有名人」の3位に西村氏がランクインしている。また、「“将来、こういう大人になりたい”と思う有名人」でも10位である。

2000年代において、日本の「アングラ」文化の主要人物でありながら、いまやテレビタレントとなり、中高生の憧れの的となっている。活躍期間の「息の長さ」にも、またそのポジションの「転身」ぶりにも驚かされるばかりである。

(中略)

続く

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https://president.jp/articles/-/51540