J-NSCの草創期、私は自民党本部に取材に向かった。タウンミーティングでは60代や70代以上の高齢者ばかりを相手にしてきた自民党にとって、大都市部に住む40代男性を主力とするJ-NSCは「まず第一に若い」という印象を持った、と自民党担当者は言った。しかしこの大都市部にすむ40代男性という社会階層こそ、所謂「ネット右翼」のど真ん中だったのである。

<ネット保守によりヘイト化>

J-NSCの初期段階は、前途多難であった。政治的基礎教養が乏しく、人文科学系等に疎いネット保守がこぞって闖入してくるため、J-NSC会員が流す言説はたちまちヘイト化し、統制の取れない状況になった。J-NSC会員を名乗るアカウントからは、大量でしかも恒常的な、在日コリアンや韓国・朝鮮、中国への罵倒が相次いだ。このような事情を鑑み、2013年4月には、


<【J-NSCニュース】みなさんへのお願い『J-NSCを騙る人種・民族差別発言』について>

と題して、人種・民族差別発言を許容しない旨、自民党が掣肘する注意喚起が会員向けに流されたほどである。


https://news.yahoo.co.jp/articles/b0343546c6c9a5a376944e706e9c1db802c6c427?page=2