https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-10-14/R0YJKHT0G1KX01?srnd=cojp-v2

世界的なガス危機が石油市場に波及、供給不足深刻化−IEA

James Herron

2021年10月14日 18:35 JST

ガスから石油製品への「大規模な切り替え」がすでに起きている

今年の需要増加見通しは日量550万バレル−30万バレル引き上げ

国際エネルギー機関(IEA)は14日、欧州とアジアの天然ガス不足が石油需要を膨らませており、原油市場の供給不足が一段と深刻化するとの見方を示した。

  原油価格は1バレル=80ドルを突破し、3年ぶりの高値を付けた。トレーダーらは記録的なガス値上がりが特に発電向けとなる他の燃料消費を刺激すると想定している。IEAによれば、こうした状況はすでに起き、今後半年間にわたり石油使用が平均で日量約50万バレル増える可能性がある。

  「世界的に経済回復が進んだことによる天然ガス・LNG(液化天然ガス)・石炭供給の急激な不足は、エネルギー供給価格の急上昇を引き起こし、石油製品への大規模な切り替えを招いている」とIEAは指摘。「中国を含む多くの国で発電所向けの燃料油と原油、中間留分に対する需要が季節外れに高くなっていることを8月の暫定データがすでに示している」という。

IEAは今年の需要増加見通しを日量550万バレルとし、30万バレル引き上げた。2022年については日量330万バレルに若干上方修正。ガスから石油へのシフトの影響は、主に今四半期と来四半期に感じられるとみている。