愛媛県新居浜市垣生(はぶ)の民家で13日、親子3人が殺害された事件で、銃刀法違反容疑で現行犯逮捕された無職河野智容疑者(53)が事件前1か月間に少なくとも2回、この家を訪れていたことが捜査関係者への取材でわかった。河野容疑者と息子は元同僚で、この家から県警に通報が寄せられていたという。県警は殺人容疑でも調べる。

 死亡したのは、岩田友義さん(80)と妻のアイ子さん(80)、三男の健一さん(51)。

 事件は13日午後5時40分頃に発生。アイ子さんから「男ともめている」と110番があり、県警新居浜署員が駆けつけたところ、アイ子さんと健一さんが室内で、友義さんが玄関先で血を流して倒れ、搬送先で死亡が確認された。いずれもナイフで刺されたとみられ、傷は複数箇所に及んでいた。

 河野容疑者は現場で血の付いた果物ナイフのような刃物(刃渡り13センチ)を所持していた。署員に「殺すつもりで持っていた」と話し、右手に軽い切り傷があったという。

 捜査関係者によると、河野容疑者は健一さんの元同僚で、事件前1か月間に少なくとも2回、岩田さん方を訪れていた。岩田さん方は3人暮らしで、アイ子さんは周囲に「男が来て困っている。警察に相談している」と漏らし、県警にも岩田さん方から複数回通報があったという。

 県警は、事前の岩田さん方からの通報の内容などについて「確認中」としている。

 県警は現場近くで河野容疑者のものとみられる軽乗用車を押収。14日、岩田さん方の現場検証を始めた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/10cde50068716f35d2e24f105d32ceec2c0e0dab