民間シンクタンク「ブランド総合研究所」(東京)の令和3年の都道府県魅力度ランキングに対し、44位という結果を突きつけられた
群馬県の山本一太知事が「県民に失礼だ」とカンカンだ。ただ、同様に低迷したお隣の埼玉県(45位)の関係者は、結果を淡々と受け止めているようで…。

今回の調査で、埼玉県の順位は前年の38位から一気に落ち込んだ。低迷した背景について、ブランド総合研究所の田中章雄社長は
「埼玉が強みとする野球やサッカーなどのスポーツの試合が、新型コロナウイルス禍の影響で例年通り運営できなかった」と分析する。

調査では、認知度や地域のイメージなどに関する89項目で「魅力度」を評価し、埼玉県は「ご当地グルメ・伝統料理」が前年に続いて47位、
「お土産・地域産品」が47位(前年46位)に低迷するなど、観光分野で苦戦した。一方、「教育・子育て」は1位(同2位)、「スポーツ」は5位(同2位)だった。

感染収束後の観光再開への期待が高まる中、今回の調査では有名観光地の評価が高くなる傾向がみられたという。
「川越市など埼玉の観光地は関東では有名だが、西日本では認知度が高くはない」(田中社長)ことを背景に他の地域よりも低い評価となったようだ。

「ダ埼玉」と揶揄(やゆ)されてきた埼玉県だが、最近は、「住みたい街」のランキングでさいたま市大宮区や同市浦和区などが上位に入ることも目立つ。
県の担当者は「住みやすさをアピールして魅力を高めたい」と話す。

他の多くの関係者も悲嘆に暮れたり怒りをぶちまけたりすることはなく、「ディスられる(けなされる)ことには慣れている」と県幹部。
「埼玉ディス」といえば、映画「翔(と)んで埼玉」が有名だが、この作品を「悪名は無名に勝る」と歓迎してみせた上田清司前知事の
DNAはなお健在なようだ。(中村智隆)

https://www.sankei.com/article/20211013-DLH5HHFH7ZP35KCFBFDYOXVFTU/