【リオデジャネイロ=淵上隆悠】カリブ海の島国バルバドスが来月、エリザベス英女王を君主とする立憲君主制を廃止し、共和制に移行する。英国の旧植民地による君主制廃止は29年ぶりだ。ほかの旧植民地国でも移行の機運が勢いづく可能性がある。

 バルバドスは、英国からの独立55周年となる11月30日をもって共和制に移行し、憲法で「女王の代理人」とされていたサンドラ・メイソン総督が初代大統領に就任する見通し。「王立バルバドス警察」といった組織名も変更される。

 君主制廃止は、過去の植民地支配に対する認識の見直しを反映した動きだ。ミア・モトリー首相は下院審議で「我々は次のステージに進むのだと世界に伝えよう」と訴えた。ただ、既に女王に実権はなく、移行は象徴的な意味が大きい。

 インドや南アフリカなど旧英植民地の多くは1970年代までに君主制を廃止しており、インド洋の島国モーリシャスが1992年に共和制に移行して以降は事例が途絶えていた。

 英国以外で今もエリザベス女王を元首とする国にはカナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどがあり、バルバドスが抜けて14か国となる。

 そのうち8か国は中米・カリブ海に集中し、ジャマイカなどでも君主制廃止を巡る議論がある。セントビンセント・グレナディーンでは2009年に君主制廃止の是非を問う国民投票が行われ、その際は反対多数で否決された。

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