牛タンが高くなった――。

 近頃、ネット上ではこんな声が聞こえてくる。実際に、大手牛たんチェーン・ねぎしは仕入れ価格の高騰を受け、9月からメニューの値上げを実施。牛たんの本場・仙台の専門店でも「値上げラッシュ」が起きている。

 一体何が起きているのか。牛たん業界に取材した。

■崩れた需給バランス、希少部位を直撃

「マジですか」
  「大変だなあ」

 首都圏で40店舗を展開する「ねぎし」。店に貼り出された価格改定のお知らせを見たツイッターユーザーからは、こんな声が聞かれた。お知らせの中に「仕入れ価格が高騰し、3倍にもなる事態となりました」と書かれていたからだ。

 ねぎしでは仕入れ価格の高騰を受け、9月15日からメニューの値上げを実施。代表的なメニューでは、厚切り牛タンがついた「白たんセット」が1850円から2450円に、うす切り牛タンがついた「ねぎしセット」が1450円から1750円(いずれも税込み)へと値上げされた。

 ねぎしを運営するねぎしフードサービス(東京都新宿区)の購買担当者は10月1日、J-CASTニュースの取材に対し、仕入れ価格は20年末頃から徐々に上がり始めたと話す。

 なぜ、これほどまで仕入れ価格が上がっているのか。担当者は、需給バランスの崩れをもたらした3つの要因を説明する。



「自分たちの商品を卑下するわけではないですが、これ以上値段が上がると、果たして牛タンを食べたほうがいいのか、それとも上寿司(高級寿司)やうなぎ、フカヒレを食べたほうがいいのか...と、(比較対象が)料理の中の『最上位』にまで上がってしまう。お金持ちの方しか食べられないような値段にしてしまうというのは、非常に抵抗感があります」

https://news.yahoo.co.jp/articles/0c980037aa5e03cd29d8fc5bd858c68b1cf1ce93?page=2