もともとはニコンとインテルがずっと昔から共同で軟X線露光システムを
開発研究していたが、ながらく光源の明るさが十分にならず、開発が停滞苦慮
していたところ、それまで想定していなかった「液浸露光方式」と
「マルチパターニング」の技術が台頭してきて、それらはX線方式に比べて
極めて安価なもので従来の露光装置にちょっとだけ手を加えれば使える
という安価で経済性の高い方式であり、X線露光装置に対するニーズが
20年近く無くなってしまい、先行してX線露光装置を開発しようとして
金を注ぎ込んでいたニコンなどは、あてが外れてしまった。
その時期にステッパーの技術が国内のステッパーメーカー(ニコン、キャノン)
から流出した。そうしてAMSL社が液浸方式のステッパーが稼ぎをたたき出
している頃、日本のメーカー各社は相対的に売り上げが減り、不況となって
X線露光システムへの技術開発は経営判断でほぼ頓挫した。かたやオランダ
の会社は液浸装置であげた儲けを注ぎ込んで技術開発をし、いろいろな問題
点を解決して、技術的課題を解消し続けて実用性を高めたX線露光装置を製
品化した。なんといっても日本国内の半導体メーカーの没落が大きい。
技術に投資して装置を作っても、それを多数買ってくれる顧客である半導体
工場が国内からは無くなってしまったのだ。露光システムは機密を含む。
海外に装置を売れば、装置の機密がどうしても漏れる。そうやって最先端の
光学系ステッパーの技術が流出したという面もある。アメリカのインテルの
工場向けにX線露光装置を早くから開発していたのも、技術が漏れり特許が
切れたりした一因だろう。内情をもっと知りうる人の解説を希望す。