>>489
明治民法施行後になると、下級裁判所には前借金をも無効とする注目すべき判決が現れる。そこでは前借金は稼業契約と一体・不可分の関係であり、前借金は実質上は消費貸借ではなく芸娼妓稼業の対価である、という論理構成が操られている。
 例えば大阪地裁明治三九年一〇月二〇日判決「執行異議訴訟事件」