岡山県美咲町で4月下旬にあった新型コロナウイルスのワクチン接種のための予行演習の求人情報が、
8月下旬になって「ワクチン接種を促すための演出」といった誤った情報とともにSNS(ネット交流サービス)上で飛び交った。

背景には、東京都が若者向けに実施した大規模接種の混乱があった。
なぜ4カ月も隔たりのある無関係のイベントがSNS上で結びつけられてしまったのか。


「行列は“サクラ”」 懐疑派が拡散か

美咲町と岡山県医師会によると、この予行演習は、1日当たり何人の接種が可能かを把握するためのシミュレーションだった。
4月28日に美咲町中央保健センターに会場を設営し、翌29日に実施した。

会場で案内する人、接種を受ける人、問診をする人、接種をする人などの役があり、町職員も60人ほどが参加したが人手が足らず、
運営を委託した会社が、岡山市の人材派遣会社を通じて募集したという。

派遣会社が作った求人票には「ワクチン接種デモンストレーションのエキストラ募集、時給1400円」とあった。
作業日は4月28、29日の2日間で「ワクチン接種会場の設営」「係員の誘導によって接種を受ける役」「受け付けをして、ワクチンを受けるふりをする」
「接種後に係員の誘導に従って待機し、会場を出る」などと、それぞれの作業の内容が記されていた。

ところがこの求人票が、実施から4カ月たった8月28日ごろからSNSで拡散した。
https://mainichi.jp/articles/20210904/k00/00m/040/263000c