【*拙著『もっと言ってはいけない』(新潮新書)参照。
PIAACの問題例を含むより詳しい説明は拙著『文庫改訂版 事実VS本能 目を背けたいファクトにも理由がある』(集英社文庫)を参照】

 私がこの調査に興味をもったのは、その結果をどのように解釈しても、
次のような驚くべき事実(ファクト)を受け入れざるを得ないからだ。

【1】日本人のおよそ3分の1は日本語が読めない(正しく読解できない)
【2】日本人の3分の1以上が小学校3〜4年生以下の数的思考力しかない
【3】パソコンを使った基本的な仕事ができる日本人は1割以下しかいない
【4】65歳以下の日本の労働力人口のうち、3人に1人がそもそもパソコンを使えない

 さらに驚くのは、この惨憺たる結果にもかかわらず、すべての分野で日本人の成績は先進国で1位だったことだ(*)。

【*より詳細に見るとそうともいえない。16〜24 歳の数的思考力では日本はオランダとフィンランドに抜かれて3位、
ITスキルでは、パソコンを使えず紙で解答した者を加えた総合順位ではOECD平均をわずかに上回る10位、
16〜24歳では平均をはるかに下回る14位まで落ちてしまう】

 OECDの平均をもとにPIAACの結果を要約すると、次のようになる。

【1】先進国の成人の約半分(48.8%)はかんたんな文章が読めない(正しく読解できない)
【2】先進国の成人の半分以上(52%)は小学校3〜4年生以下の数的思考力しかない
【3】先進国の成人のうち、パソコンを使った基本的な仕事ができるのは20人に1人(5.8%)しかいない

https://news.yahoo.co.jp/articles/dd92cfec0cf3fd57c0f2bd8ffc99f4645c4cba6c?page=2