山梨県南アルプス市の有料老人ホームで、入所者の80歳女性が死亡しているのが見つかった事件で、甲府地検は26日、
殺人容疑で逮捕された同施設の介護士、丹沢一貴容疑者(42)=市川三郷町上野=を強制性交等致死罪で起訴した。

 起訴状によると、8月5日午後9時50分ごろから同11時半ごろまでの間、施設内のトイレで女性の首を腕で絞め付けるなどして
暴行を加えて強制的に性交し、窒息死させたとしている。

 地検は「証拠を総合的に検討した結果、殺意の立証は困難だった」として、罪名を切り替えた。認否は明らかにしていない。

 県警によると、丹沢被告は5日、1人で夜勤を担当。女性が亡くなったことを自ら施設長に知らせ、施設長が110番通報した。
遺体は発見時、居室のベットの上であおむけの状態だった。女性は歩くのが難しく、介助なしでは生活できなかったという。
丹沢被告は当初、首を絞めたことは認めていたが、殺意については曖昧な供述をしていた。

 女性の遺族は26日、「これまでの楽しく過ごした母の人生を、最後の最後に台無しにされた思いです。
加害者は裁判の中では本当のことを話してもらいたいと思っています」とのコメントを発表した。【田中綾乃】

https://mainichi.jp/articles/20210826/k00/00m/040/274000c