死刑制度の廃止を目指すとした日本弁護士連合会(日弁連)の宣言が会の目的を逸脱しているなどとして、京都弁護士会の南出喜久治(きくぢ)弁護士が日弁連などを相手取り、宣言の無効確認を求めた訴訟の判決が26日、京都地裁であり、井上一成裁判長は原告側の請求を退けた。

訴状によると、日弁連は平成28年の人権擁護大会で「2020(令和2)年までに死刑制度廃止を目指す」との宣言案を賛成多数で採択した。
原告側は、会の設立目的は弁護士自治の実現であり、特定の見解を表明する権限はないと主張。
加入しなければ業務ができない「強制加入団体」の日弁連が多数決で決める事柄ではないとして、決議の無効などを求めていた。

井上裁判長は判決理由で、弁護士会の会員らの思想・信条が多様であり、会と会員の意見が一致しないことは、「一般にも理解されている」と指摘。
会員は自由に言論活動を行うことが可能であり、「原告側の精神的苦痛は受忍すべき限度を超えるとまでは言いがたい」と結論づけた。

南出氏は判決を受け、「裁判所は、強制加入団体が思想統制をすることを許すのか。法の正義に反する判決であり、当然に控訴する」とコメントした。

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