戦争原因の複雑性

戦争とは大規模になればなるほど、国際政治、歴史統計(長期的な不満、国内的な混乱、軍事的な優位、軍事的な劣位)、勢力分布、地政学的・安全保障要因、国家主義・民族的要因、ゲーム理論、その他、軍事的、政治的要因だけでなく、法的、経済的、社会的、集団心理的、文化的な外的・内的な構造や誘因がより高度に複雑に関係して発生する重層的な事象であり、個人の人間性や一国の内部事情などにのみその根本的原因を求めることは非常に非現実的、非歴史的な考えと指摘できる。

歴史から学び、国内的な事情と国外的な環境を関係させ、個人の感情や意思を内包した歴史的必然性に戦争の原因というものは求められるべきものである。

バターフィールドの『ウィッグ史観批判』で「歴史の教訓とは、人間の変化はかくも複雑であり、
人間の行為や決断の最終的結果は決して予言できるような性質のものではないということである。

歴史の教訓は、ただ細部の研究においてのみ学ぶことができ、歴史の簡略化の中では見失われてしまう。
歴史の簡略化が、歴史的真理と正反対の宣伝のため企てられることが多いのもそのためである。

日本の歴史の勉強で、「日本はバカなことをした」といってるのは、この複雑な戦争というイベントの発生を、
予測可能なものとしてとらえ、簡略化して結論をだそうとしている。平和教育というのは、歴史的真理ではなく、プロハガンダという証拠だ。