米の入院患者、1カ月で4倍 テキサス州など医療逼迫

【ニューヨーク=山内菜穂子】米国で新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、入院者数が急増している。直近で1カ月前に比べて4倍となり、1月中旬のピーク時の5割弱に達した。南部テキサス州などワクチン接種が遅れる地域で医療が逼迫し、地方政府が対策を急いでいる。

米ジョンズ・ホプキンス大によると、米国の10日の新規感染者数(7日移動平均)は約11万7000人となった。1カ月前の6倍とインド型(デルタ型)の広がりによる感染拡大が続く。死者は4日連続で500人を超えた。

英オックスフォード大の研究者らがつくる「アワー・ワールド・イン・データ」によると、7日時点の入院者数は約6万人。感染者数の増加とともに急増している。特に増加傾向が目立つのはワクチン接種率が低い地域で、病床が逼迫しつつある。

(略)

一方で、病床が逼迫しても医療崩壊には至らないとの見方がある。フロリダ州の医療機関、セーフティーネット・ホスピタル・アライアンスの最高経営責任者(CEO)、ジャスティン・シニア氏はAP通信の取材に「病院の多くは会議室や外来センターなどあらゆる場所をコロナ患者用に充てることができる」と指摘した。

地方政府は医療体制の拡充とともに、ワクチン接種の進展を急ぐ。データを公表する25の州・首都ワシントンで接種と感染の関係をみると、接種を完全に終えた人の感染率は「1%をはるかに下回る」(カイザー・ファミリー財団)ためだ。入院率はさらに少なく、最大でも0.06%(アーカンソー州)という。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN11BKE0R10C21A8000000/