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京アニ事件から2年 遠い真相解明 初公判決まらず

36人が犠牲になった「京都アニメーション」第1スタジオ(京都市伏見区)
の放火殺人事件は18日、発生から2年を迎える。事件後に解体され、更地と
なったスタジオ跡地では追悼式が営まれ、八田英明社長や遺族らが参列する。
一方で、青葉真司被告(43)は昨年12月、殺人罪などで起訴されたが、公
判日程は未定。公判が始まっても長期間にわたる可能性があり、殺人事件とし
て平成以降で最悪の犠牲者を出した事件の真相解明には、時間を要するとみら
れる。

自らも全身に重度のやけどを負った青葉被告は、逮捕後の昨年6月に勾留理由
開示の法廷で事件後初めて公の場に姿を見せた。皮膚移植などの高度治療を受
け、ストレッチャーに乗せられて出廷する異例の措置が取られ、現在は医療設
備の整った大阪拘置所(大阪市)に収容されている。

捜査関係者によると、青葉被告は「ガソリンを使えば多くの人を殺害できると
思った」と容疑を認める半面、動機については、京アニの作品を挙げながら、
「小説を盗まれた」と逮捕前から一貫して供述。京アニ側は盗作の事実はない
とし、一方的に恨みを募らせた末の犯行とみられる。

事件は、裁判員裁判で審理される。ただ、争点を絞り込む公判前整理手続きの
期日も決まらず、裁判官と検察側、弁護側による協議が水面下で進んでいると
みられる。

公判では、刑事責任能力の有無や程度が最大の争点となり、弁護側が新たな精
神鑑定を請求した場合や、青葉被告の体調も公判の行方に影響を与える可能性
がある。【以下略】
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https://www.sankei.com/article/20210717-X4L462TYQVMCDL5SOIUJWW62VM/