【7月16日 CGTN Japanese】中国国家発展改革委員会はこのほど通達を出し、高さ250メートル以上の建築物の新規建設を厳しく制限し、
500メートル以上の建築物の新規建設を禁止する方針を明らかにしました。

 超高層建築物を建設する文化は米国で始まり、一時は経済力の象徴でした。中国の超高層建築物はほとんどが2008年以降に建設されたものです。
高層ビル・都市居住協議会(CTBUH)のまとめによると、中国は世界で最も多くの超高層建築物を有する国であり、2020年4月時点で、中国の100メートルを超える
建築物の数は1938棟で、米国の436棟をはるかに上回っています。中国の超高層建築物のうち、最も高いのは632メートルの上海中心大厦(上海タワー)です。
また、深セン(Shenzhen)には592.5メートルの平安金融センター、北京には528メートルの北京中信大厦(別名「中国尊」)、広州(Guangzhou)には454メートルの広州新テレビ塔(別名「小蛮腰、繊細な腰」)があり、
各都市の新たなランドマークとなる一方で、超高層建築物の建設競争を引き起こしているとみられています。

 しかし、超高層建築物はガラス張りの外壁を多用していることから、太陽光を反射して周りの気温を上昇させ、「ヒートアイランド」現象を深刻化させる恐れがあります。
また、超高層建築物はエネルギー消費とコスト、炭素排出とも高いことから、高さ競争の悪循環に陥れば、都市発展の負担になると指摘されています。

 近代化した都市発展の新たな理念と新たな流れに沿って、中国は住みやすさとイノベーション、スマート、グリーン、人間本位の文化を重んじた質の高い生活を楽しめる都市づくりを目指しています。
今回発表された超高層建築物の規制により、過熱していた超高層建築物の建設ブームが冷まされ、中国の都市建築は理性と実用性をより重視する方向へ進むことになりそうです。
(c)CGTN Japanese/AFPBB News

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