――「何を学べばいいですか」というような質問をよくされると思うのですが、どう答えていますか?

ひろゆき氏:まず、その人が何を求めているかによりますよね。基本的に、そういう質問の根底には「今のうちに何を学んでおけば、あとでお金が手に入りますか?」という欲望が隠れていることがほとんどです。

 そういう人に対しては、難関資格とか簿記とか英語とか、って適当に答えとけばいいと思うんです。ただ、できるだけ僕は「お金を稼いでも幸せになれるわけじゃないよ」ということも伝えるようにしています。

――それは、どういう意図でしょうか?

ひろゆき氏:お金を稼げたり、就職しやすくなる知識って競争率が高いですよね。すぐに役に立つということは、すぐに世の中に溢れるのと同じです。いわゆる、「知識が民主化して、コモディティ化する」というような話です。

 だから、「そもそもお金があっても幸せになれないよ」という哲学的な問いのほうが重要になってくるんです。お金と幸せを切り離すためには、哲学のような学問が必要になってきます。まあ、文学でも心理学でも、なんでもいいんですが、とにかくお金を稼ぐ技術ではない「考え方」の部分のことです。

――「お金がなくても何があれば幸せなのか」という軸を持ったほうがいいという話ですかね?

ひろゆき氏:そうですね。ハーバード大学の卒業生を追った75年以上にもおよぶ調査では、「結局、人間関係が安定している人」が幸せの条件だったようです。いくらたくさんお金があったとしても、休みの日に一緒に時間を過ごせる人がいないのは悲劇なわけです。

 そういう知識は、僕は心理学から学んだと思いますね。だから、「心理学や根幹の哲学のような知識を学んだほうがいい」というのが最初の質問の答えになりますね。

ダイヤモンドオンラインゴ
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