今回の決議に向けた動きが本格化したのは3月のことだった。同月30日に開かれた日本ウイグル国会議員連盟をはじめ中国問題に関係する5つの議員連盟による会合で、菅義偉首相の訪米前に決議を成立させることが確認された。

ただ、この日の会議で示された第1次文案には、大きな問題があった。それは文案中に「中国」という単語が全く入っていないことである。中国における人権問題を非難するのに、中国という単語が入っていないと言うのは実に不自然だ。

これは、国会決議は全会一致で成立させるとの原則から全会派の賛成を得る必要があるため、やむを得ない妥協だった。具体的には伝統的に中国との友好関係にある与党、公明党に配慮し、名指しすることを避けたものだった。


>>伝統的に中国との友好関係にある与党、公明党に配慮し、名指しすることを避けたものだった。