韓国前検事総長を捜査 大統領選レースでトップ

【ソウル=桜井紀雄】韓国の捜査機関「高位公職者犯罪捜査処(公捜処)」が、在職中の職権乱用などの疑いで、尹錫悦(ユン・ソンヨル)前検事総長の捜査に着手したことが分かった。
韓国メディアが10日、一斉に報じた。尹氏は文在寅(ムン・ジェイン)政権と対立して3月に辞任。文政権に批判的な保守層から大統領選出馬を期待され、大統領選候補の最新の支持率調査で首位に立っている。

政官界が絡む投資ファンドの巨額詐欺事件で、捜査指揮を通じて事件の矮小(わいしょう)化を図った疑いなどで市民団体が尹氏を告発していた。

公捜処は、文大統領が公約に掲げる「検察改革」の柱として1月に発足。検察から独立し、政治家や高官、検事らの不正を捜査する。野党などは文政権に有利な捜査だけを行いかねないと設置に反対してきた。

今回、尹氏の足を引っ張るための政治的捜査との批判や大統領選レースへの影響は避けられそうにない。

https://www.sankei.com/article/20210610-TW3YAX3QLNOQJFSICA6ROVNJPM/