“慰安婦問題”を追及する韓国に刺さった、「ベトナム人虐殺」というブーメラン 被害者の訴えは、事実上退けられた

4月5日、韓国でとある“事件”が報じられた。韓国の情報機関である国家情報院(以下、国情院)が、韓国最高裁判所の判決を「事実上拒否した」ともとれる対応を見せたのだ。すべての始まりは、今から50年以上も前のベトナム戦争にて、韓国軍が民間のベトナム人をむごたらしく虐殺したことである。

韓国軍による悲惨な虐殺
フォンニィ・フォンニャット虐殺、タイヴィン虐殺、ゴダイ虐殺、ハミ虐殺、ロンビン虐殺…。

韓国軍によるベトナム人虐殺と暴行の被害者は、判明しているだけで30万人いると言われている。なかでも青龍部隊(チョンリョン)と猛虎(メンホ)部隊の2つは、冷酷無比な殺人者集団の“鬼畜部隊”とされている。韓国政府を相手取って訴訟を起こしたグエン・ティ・タン氏の村を襲ったのは、前者の青龍部隊だった。

1審と2審ではタン氏側が勝訴し、情報公開は正当という判決が下されている。しかし国情院は「当該資料が公開されると、国の重大な利益を著しく害する恐れがある」「調査当事者のプライバシーが侵害される可能性がある」などと理由を述べて、公開を拒否してきた。

韓国軍人とベトナム人の間に生まれた子ども「ライダイハン」が現地に置き去りにされた問題も、未解決のまま残っている。

2019年5月、ライダイハンのトラン・ダイ・ナット氏ら3名は、「国連人権理事会による問題の調査と、親子関係を確定するためDNA型鑑定に応じるとともに、公式な謝罪を求める」という公開書簡を文在寅大統領に提出した。しかし文在寅政権は沈黙を貫いていて、その後の進展はない。

目に余るダブルスタンダード
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/83112