クーデターによる混乱が続くミャンマーでは2日、中国から無償提供された新型コロナウイルスのワクチン50万回分が
到着しました。中国側にはクーデターをきっかけにミャンマー国民の間に噴出している反中感情を和らげたいという
思惑もあるとみられます。

中国はクーデターが発生する前のことし1月、王毅外相がミャンマーを訪問した際にワクチン30万回分を無償で
提供すると表明しました。

ミャンマーの国営テレビによりますと、2日、当初の約束より20万回多い50万回分のワクチンが最大都市ヤンゴンの
空港に到着したということです。

ミャンマーでのクーデターの発生後、中国は国連の安全保障理事会で軍への制裁に否定的な立場を取り続け、
ミャンマー国民の間では軍を擁護しているとして批判が高まっています。

ミャンマーにある中国大使館はワクチンの提供をアピールしていて、中国側には無償提供の約束を果たし、
量も大幅に積み増すことで反中感情を和らげたいという思惑もあるとみられます。

また、医療関係者の多くが職務を拒否する不服従運動に参加し、医療システムがまひする中で、軍としても
新型コロナウイルスの対策を少しでもアピールするねらいがあるとみられます。

しかし、軍の統治を拒否する市民の間ではワクチン接種をボイコットする動きも出ていて、中国製ワクチンの流入で
この動きにも拍車がかかりそうです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210503/k10013010571000.html