韓国慰安婦訴訟 元慰安婦の訴え退ける 韓国の地裁

韓国の元慰安婦と遺族合わせて20人が、日本政府に損害賠償を求めて
いた裁判で、ソウルの地方裁判所は国際法上の「主権免除」の原則が
適用されると判断し、原告側の訴えを退ける判決を言い渡しました。
慰安婦問題をめぐってはことし1月、別の原告団の裁判で、日本政府に
賠償を命じる判決が出ていて、今回は逆の判断が示された形です。(略)

外務省幹部の1人は記者団に対し「まだ中身を読み込んでいないので、
しっかりと精査しなければならないが、判決は却下され、日本政府の
立場に沿った形で判決が出たということだ」と述べました。
そのうえで、「原告側はおそらく控訴するだろうが、判決を受けて
韓国政府がどういう立場を表明するか注目したい。われわれとしては
引き続き、国際法の違反を是正する措置を求めて、粘り強く対応して
いきたい」と述べました。

また別の外務省幹部は、「これまでの判決が異常だったわけで、極めて
普通の妥当な判決だ」と述べました。
そのうえで、記者団が「日韓関係にプラスになったか」と質問したのに
対し「とんでもない。日韓両国には慰安婦問題だけでなく、徴用を
めぐる問題などもある。両国関係はそもそもがどん底に近いマイナス
であり、今回の判決でプラスになったわけでなく、まだまだ大きな
マイナスだ」と指摘しました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210421/k10012987101000.html