中国、日米共同声明に「国際社会を代表できず」と反発 具体的な報復措置は示さず

4/19(月) 20:16配信 産経新聞

 【上海=三塚聖平】中国外務省の汪文斌(おう・ぶんびん)報道官は19日の記者会見で、台湾や香港、
東・南シナ海などの問題に懸念を示した日米首脳会談の共同声明に対し、「米国と日本は、国際社会を
代表できず、自身のスタンダードを無理強いする資格もない」と反発した。ただ、具体的な報復措置
などには踏み込んでおらず、関係改善を模索している米国に慎重な対応をとっている可能性もある。

 汪氏は、日米に対し「口では自由や開放を吹聴しているが、実際には徒党を組んで小派閥をつくり、
集団対抗を扇動している。これこそが地域の平和と安定に対する真の脅威だ」と主張。新疆
ウイグル自治区の人権問題で中国が批判を受けていることを念頭に「人権問題で日米両国
は中国人民と世界の人々に借りがある」と強調し、日本には日中戦争を挙げて非難した。

 共同声明に「台湾海峡の平和と安定の重要性」が明記されたことについては「中国は、
あらゆる必要な措置をとり、国家の主権や安全、発展の利益を断固として守り抜く」と
述べ、報復を示唆した。

 日本政府に対し、東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出方針を決めたことを挙げ
「世界各国の国民の生命や健康に対して責任ある態度に基づき、核汚染水の海洋排出実施の
決定を直ちにやめよ」と非難した。

 米国への批判は比較的抑制されている。日米首脳会談の共同声明は日本時間17日午前に
発表されたが、中国外務省の報道官談話が出たのも同日夜と時間がかかっており、中国が
米国の反発を招かないように気を配っている可能性もある。

https://news.yahoo.co.jp/articles/a049c01fb8e7eb8816d3182220e4de9afa77e15a