中国が米衛星を破壊する宇宙兵器を配備──米情報機関

<地上発射型の対衛星兵器で、低軌道上の人工衛星の破壊や光学センサーの無効化を狙う>

新たな報告により、中国がアメリカの衛星を無効化する破壊的な宇宙兵器の配備を進めていることが明らかになった。
米国家情報長官室(ODNI)は4月13日に発表した毎年恒例の脅威評価報告書の中で、「中国は既に、地球低軌道にある衛星を破壊するための地上発射型対衛星兵器(ASAT)や、おそらくは衛星の光学センサーを無効化または損傷させるための地上発射型ASATレーザーを配備している」と述べた。
通信衛星や偵察衛星などの衛星がなければ米軍は機能不全に陥るため、中国の対衛星兵器はかねてから警戒されてきた。攻撃に備えて、衛星を武装させることも検討されてきた。

同報告書は、新型コロナウイルスのパンデミックや気候変動、テロ組織や大量破壊兵器、中国やロシアのような競合国など、さまざまな脅威について評価を行ったもので、中国がアメリカの「最大の戦略的競合相手」に浮上していると指摘した。
「中国は対等な競合国となりつつあり、複数の分野――特に経済、軍事、技術の分野――でアメリカに挑み、強引に国際ルールを変えようとしている」と報告書は述べている。
なかでも中国がとりわけ熱心なのが、ASATの開発と保有だ。ODNIは、中国は軍の各部隊に対して、ASATを使ってアメリカの衛星を破壊するための備えをさせている。報告書は、「中国は、アメリカが宇宙分野での主導的地位を基に築いてきたような軍事的・経済的な利益や名誉を得るために、宇宙においてアメリカと同等の、あるいはそれ以上の能力を手にしようとしている」と指摘している。

続く
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