新型コロナウイルスで売り上げが減少したのに、性風俗業者が持続化給付金を受給できないのは憲法が保障する「法の下の平等」に反するとして、
関西地方の無店舗型性風俗店(デリバリーヘルス)の運営会社が国に計約450万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が15日、東京地裁(清水知恵子裁判長)であった。
国側は「性を売り物とする性風俗業者は本質的に不健全。給付対象外としたことは差別ではない」と請求の棄却を求めた。

 訴状などによると、運営会社は緊急事態宣言の発令を受け、昨年4月半ばから5月上旬にかけて休業要請に従い、店を休業した。
9月に持続化給付金と家賃支援給付金を申請したが、1カ月の売り上げが前年同月比で50%以上減少などの要件を満たしているのに、いずれも受給できなかった。

 同社側は「職業による差別に他ならない」と主張。これに対し国側は答弁書で「性風俗営業は社会一般の道徳観念に反するもので、
国庫からの支出は国民の理解を得られない」と反論した。

 この日は運営会社の代表者の女性が意見陳述し、「性風俗業は合法に社会の中に存在するのに、社会の外の存在だという扱いを受け続けている。
裁判所は国による職業差別を許さないでほしい」と訴えた。【遠藤浩二】

https://mainichi.jp/articles/20210415/k00/00m/040/279000c