セブンも不振、「百貨店化」するコンビニのわな

近くて便利な存在であるコンビニエンスストアはここ数年、足踏みが続く。
新型コロナウイルスの感染拡大が追い打ちをかけ、都心店を中心に「コンビニ
離れ」が顕著だ。百貨店のように高単価スイーツなどの強化で収益強化を
進めるが、日常消費の場としての価値がさらに低下する懸念もある。再成長は
可能だろうか。(略)

コンビニでは現在、スイーツだけでなく、総菜や弁当なども高価格帯が売れる。
ローソンは「日常的な買い物対応への強化は課題で、割安な生鮮品も置いている。
同時に店内厨房で提供するこだわり商品を広げている」と説明する。目先の
差別化戦略上、コンビニ各社の対応が間違っているわけではない。だが日常
消費の現場は衣食住ともに低価格化が強まっている。
5万店を抱えるコンビニはやはり量販モデルだ。高単価のこだわり商品を求める
顧客対応だけでは限界がある。買いやすさを強調してきたコンビニが「割高
業態」とのイメージが強くなりすぎると、さらに顧客離れが進みかねない。
比較的に日常ニーズに強かったセブンイレブンも既存店の売り上げ減少が
止まらない。まさに百貨店化のわなだ。ユニクロが値下げするなど、小売りは
デフレ下の様相をみせている。コンビニは日常消費の奪還に向け、価格対応の
柔軟性が急務だ。同時に既存のリアル本位のビジネスからの脱却も加速する
必要がある。次の成長策もあたためてほしい。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGH096TC0Z00C21A3000000