全国の私立幼稚園から会費などを集めて運営している「全日本私立幼稚園連合会」で、国際交流などのために積み立てていた複数の基金が正式な手続きを経ずに取り崩されるなどして合わせて数億円の資金が使途不明になっていることがNHKの取材で分かりました。
幼稚園連合会の会長は去年11月、使途不明金の存在を指摘されたあと辞任していて、幼稚園連合会は現在、多額の資金の使いみちなどについて内部調査を進めているということです。
全国およそ7500の私立幼稚園が加盟する「全日本私立幼稚園連合会」は、幼児教育の振興を図る目的で昭和59年に設立された任意団体で、加盟する幼稚園から集めた会費などを主な財源に幼児教育の無償化などの振興策について国や国会議員への要望活動などを行っています。
幼稚園連合会は会費収入など年間2億円余りの一般会計のほか、複数の基金を積み立てていますが、複数の関係者によりますと国際交流や災害対策のための基金などが、正式な手続きを経ずに取り崩されるなどして、合わせて数億円の資金が使途不明になっていることが、連合会の昨年度決算の監査が行われた去年9月以降に分かったということです。
幼稚園連合会の香川敬会長は去年11月27日、使途不明金の存在を指摘されたあと5期10年以上にわたって務めた会長の職を辞任したということです。
NHKの取材に対し辞任した香川前会長は「会長として使途不明金を出した管理監督責任があるので辞任したが、口座の管理は事務方が行っており、私自身は1円たりとも資金の流用はしていない。カネが何に使われたのかは全く分からない」と説明しています。
関係者によりますと幼稚園連合会は内部に特別委員会を設置して弁護士とともに多額の資金の使いみちなどについて調査を進めているということです。
内部調査を進めている幼稚園連合会の田中雅道会長代行は「組織として全国の私立幼稚園に関わるすべての保護者や子どもたちに大変申し訳なく思います」と話しています。
(後略)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210306/k10012901601000.html
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