男児が持ってきた「ママが好きなお菓子」 餓死1カ月前

福岡県篠栗(ささぐり)町のマンションで昨年4月、5歳の男児が食事を十分に与えられず餓死した事件で、
保護責任者遺棄致死容疑で知人の女とともに福岡県警に逮捕された母親の碇利恵(いかりりえ)容疑者(39)の
供述から、男児がなくなる約1カ月前のある出来事が明らかになった。

死亡したのは、碇容疑者の三男、翔士郎(しょうじろう)ちゃん。知人の赤堀恵美子容疑者(48)からの指示で、
碇容疑者が約9カ月にわたり食事の量を減らしたり、抜いたりして昨年4月18日、低栄養状態にさせて餓死
させた疑いがある。

捜査関係者によると、昨年3月初旬、碇容疑者は3人の子どもと親族とともにスーパーへ買い物に出かけた。
親族は店内に入ると「何でも好きなものを持っておいで」と子どもたちに呼びかけた。すると、翔士郎ちゃんは
お菓子をもって戻ってきた。「これ、ママが好きなお菓子」

その約1カ月後、翔士郎ちゃんは亡くなった。

亡きがらは、同年齢の平均体重の半分にあたる10キロ前後しかなかった。県警によると、赤堀容疑者の
指示を断れず、碇容疑者も翔士郎ちゃんの食事を制限していたという。

捜査関係者は「いくらいじめられても、お母さんが好きだったんだろう」と話している。
https://www.asahi.com/articles/ASP347T1XP34TIPE021.html