兵庫県西宮市内の住宅地で３日未明、弾痕のようなものが打ち込まれた事件について、捜査関係者は「どうしてここが」と首をかしげている。現場建物が暴力団の組事務所として使用されていたのは
十数年以上前で、今は運送会社の社員寮。兵庫県内では、日本最大の暴力団山口組の分裂を巡って暴力団同士の対立が激化している。新たな抗争の局面を迎えたのか、別の原因があるのか、
誤ったネット情報を信じてしまったのか…。捜査関係者の間でも臆測が飛び回っている。
【写真】耳に残る銃声、血だらけの現場を目撃…住民から不安の声
現場は阪神電鉄西宮駅の南約１キロの住宅地にたつ社員寮。同日午前２時ごろ、「パーンという発砲音がした」との通報を受け、同署員が駆け付けると、出入り口のシャッターに弾痕のような傷が
４カ所見つかった。周辺には鉛のような金属製の破片が複数、落ちていた。
捜査関係者によると、この社員寮は、十数年前まで現在の特定抗争指定暴力団神戸山口組の傘下組織が事務所として利用していた。
「昔の情報しか知らない人物が場所を勘違いしたのでは」。捜査関係者の１人は推測する。インターネット上では、今も傘下組織の事務所が今回の住所地にあると書き込まれたサイトがある。こうした
誤情報を基に、犯人が襲撃した可能性があると話す。
そんなあやふやな情報で暴力団のヒットマンが行動するのかと、にわかに信じがたいが、実際に暴力団組員がネット情報を頼りに、対立する組幹部を襲う事件が起きている。
２０１９年１１月に同県尼崎市で神戸山口組幹部が自動小銃で射殺された事件がそうだった。襲撃した愛知県の元組員の男＝殺人罪などで無期懲役判決、
控訴中＝は公判で「ネットの掲示板を見て、幹部の居場所を知った」と供述した。
ただ、別の捜査関係者は「所有者が替わっているのは、暴力団員ならみんな知っている。恥をかくようなことはしないはず。何らかの狙いがある」とも話しており、目的は判然としない。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d4c334c421221270b265daa0e67a4076b96e5985
