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「2階物置に金」誰が漏らした?窃盗団が持っていたメモ
現金のある場所を示した間取り図、家族構成、出勤時間まで――。愛知県警は19日、窃盗グループが狙った民家の情報を記したメモを公開した。高額な資産のありそうな家を探す「情報屋」が、「狙い系」と言われる綿密に準備を重ねた実行役らと、情報を共有している実態が浮かぶ。
愛知県警や京都府警などは昨年から、高額な現金のある住宅や店舗の情報を教えて報酬を得る「情報屋」を含め、これまでに窃盗容疑などで23人を逮捕した。
公開されたメモには、「夫50代 車四駆 出勤時間9:30〜」など狙い先の家の家族構成や、「別居の娘 実家に来る」といった生活習慣などの情報が書かれていた。2階のリビングの奥の物置に現金があることを示すとみられる、手書きの間取り図もあった。
スマートフォンなどの押収品からは、情報屋と実行役が「空き案件で東京 行く人いませんか」「一軒家80代おばあさん一人暮らし」などとメッセージアプリでやりとりしていたことが判明。深夜に車で下見に来る様子も防犯カメラなどで確認されたという。
こうした情報はどこから漏れるのか。
愛知県警は、家具の配置など、戸外からは分からない情報も出回っていることから、近親者や、家に出入りする第三者などが情報を漏らしている可能性もあるとみる。
捜査関係者によると、逮捕された情報屋の男は、過去に名古屋市の繁華街で客引きをしていた。酒席で金銭の話をしたり、SNSで高額な物品の画像を投稿したりする情報が収集されている可能性もあるという。
県警は、多額の現金を保管しない▽家を訪ねる人に金庫や貴重品を見せない▽SNSや会話で家に金品があると明かさない▽旅行などで家を空ける時は他人に教えない、といったことに注意が必要だとしている。現金を保管する場合は耐火金庫ではなく防盗用金庫を勧めている。
愛知県内では、住宅侵入盗の件数は減少傾向にあるが、1件あたりの被害金額は高額化。昨年の現金被害の総額は約6億561万円で全国ワースト、1件あたりの現金被害額は約44万円で、ワースト2位だったという。
県警は「家を訪ねる人に貴重品を見せたり、飲食店やSNSで金があるなどと自慢したりしないで」と注意を呼びかけている。