横須賀基地(神奈川県)に拠点を置く米第7艦隊は11日までに、在沖縄海兵隊が、特殊作戦にも
使われる米海軍原子力潜水艦「オハイオ」と異例の共同訓練を沖縄県近海で実施したと明らかにした。

 訓練は、沖縄県・尖閣諸島周辺の日本領海への侵犯を繰り返す中国海警局の公船に、武器使用を認める
中国の「海警法」施行(1日)の翌日に実施された。離島防衛を念頭に置いた訓練とみられ、
中国の力による現状変更の試みをけん制した形だ。

 第7艦隊などによると、2日の訓練には、沖縄に駐留する第3海兵遠征軍の偵察部隊とオハイオが参加。
海兵隊員がオハイオの待機する洋上のポイントに戦闘用ゴムボートで向かい合流、乗艦した。
有事の情報収集などを想定した訓練とみられる。

 在沖海兵隊は「第7艦隊と統合訓練の機会を拡大し続け、インド太平洋地域の不測の事態に即応する」
などとコメントした。

 オハイオは対地巡航ミサイル「トマホーク」を搭載し、高度な通信機能もある。特殊部隊が使う
小型潜水艇やボートの格納庫も備え、特殊部隊が得た相手の位置情報はイージス艦や戦闘機と
共有される。

 在日米軍をめぐっては4日、横須賀基地に弾道ミサイル防衛能力を向上させた最新のイージス艦
「ラファエル・ペラルタ」が配備された。バイデン米政権は、安全保障面では同盟国と連携して中国に
対抗するとしており、共同訓練などを通じて自衛隊との連携を深めるとみられる。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021021100534&;g=pol