大手値下げに“なす術なし” 格安SIM各社、総務省に緊急措置を求める(佐野正弘)

(略)楽天はグループ全体で多くの事業を持っており、楽天モバイルを起点として楽天
グループのサービスをより多く使ってもらうことで売上向上につなげられるというのも、
こうした料金の実現につながっているようです。また楽天モバイルは、今後自社の完全
仮想化ネットワーク技術を活用した「Rakuten Communications Platform」を海外の携帯
電話会社などに販売する計画を立てており、直接的な通話・通信料以外の収入を見込んで
いることも、今回の料金施策には影響しているでしょう。

ただ1GB以下とはいえ0円という料金は、楽天モバイルのビジネス的に問題がなくても公正
競争の観点から問題が出てくるように思えてなりません。実は通信量が1GBという料金
プランは、スマートフォン初心者を狙い携帯大手やMVNOが意外と多く手掛けているものでも
あり、例えばオプテージの「mineo」が発表した新料金プラン「マイピタ」の1GBプラン(音声
通話付き)で月額1180円、ジュピターテレコムの「J:COM MOBILE」が発表した新料金プラン
でも月額980円と、当然のことながら有料です。
ですがRakuten UN-LIMIT VIは1GBまでなら0円なのですから、エリア品質に差があるとはいえ
他社の1GBプランは料金面で全く勝負になりません。NTTドコモの「ahamo」などでも、MVNO
からデータ通信の接続料と比べ料金が安すぎると批判の声が挙がっていましたが、0円ではも
はや競争ができるかどうかという次元を通り越してしまっているのです。
そうしたことから発表会では、この料金に関して独占禁止法に抵触する可能性なども指摘
されていましたが、楽天モバイルの代表取締役社長である山田善久氏は、「総務省にも
情報は伝わっている。法的に問題ないと考えている」と話しています。ですが、とりわけ
大手各社の料金引き下げで厳しい状況にあるMVNOから「0円では競争ができない」という声が
総務省に挙がってくるのは時間の問題のような気もしますし、そのとき総務省、さらには
楽天モバイルがどのような対応を取るのかは非常に気になるところです。
https://japanese.engadget.com/rakuten-mobile-120951050.html