<社説>米連邦議会占拠 民主主義を取り戻そう

1月6日は「米国議会史における暗黒の日」(ペンス副大統領)として刻まれた。トランプ大統領の支持者が米連邦議会議事堂に乱入し、一時占拠したからだ。
しかも支持者の暴徒化を扇動したのがトランプ氏本人である。民主主義に対する攻撃は断じて認められない。次期大統領のバイデン氏には難しいかじ取りが待つが、民主主義を取り戻すべく最善の努力を尽くしてもらいたい。
混乱の原因はトランプ氏が大統領選の結果を受け入れなかったことにある。「選挙に不正があった」という根拠のない主張は司法の場でことごとく退けられた。それでも「選挙は盗まれた」などと繰り返し支持者に語り掛けた。

<中略>

一方でトランプ氏を支持した米国民が7300万人以上いたことの背景にも目を向けなければならない。支持者の核は経済構造の変化に取り残されたと感じる中西部の白人労働者層だという。豊かな都市部との経済格差、エリート層や政治家への不満が根底にあるとされる。

これは米国に限った話だろうか。欧州でも米国発の「一部のエリートが世界を支配する」という陰謀論を信じる人々がいる。
日本でも特定の国や民族への中傷を繰り返す者がいる。分断を図る人々の矛先は差別という形で沖縄にも向けられる。

https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1253809.html