ペンス副大統領はトランプ氏の免職要求拒否 弾劾訴追決議、下院で可決へ
毎日新聞 2021/01/13 17:50

米連邦議会=ワシントンで2017年12月4日、高本耕太撮…
 トランプ米大統領(共和党)の支持者が、昨年11月の大統領選の結果確認を阻止するため、連邦議会議事堂に乱入した事件を受け、下院は12日、ペンス副大統領に大統領権限を移行する憲法修正25条の発動を求める決議案を民主党の賛成多数で可決した。24時間の回答期限を前にペンス氏は拒否する考えを表明。下院で過半数を維持する民主党は13日、トランプ氏の弾劾訴追決議案を審議入りさせて即日可決させる構えだ。

 ペンス氏は12日夜の採決を前に民主党下院トップのペロシ議長に書簡を送り「この方法が国の最善の利益になるとは思わない」として、25条発動要求を拒否する方針を伝えた。

 弾劾決議案は、支持者に議会へ行進するよう呼びかけた6日の演説などトランプ氏の言動が事件を扇動したとして罷免を求める内容。政権を支えてきた共和党からも下院ナンバー3のチェイニー議員らが支持を表明したほか、同党下院を率いるマッカーシー院内総務が所属議員に反対票を強要しない意向と伝えられ、10〜20人が賛成に回るとの観測がある。

 大統領の罷免には、下院での決議後、上院で開かれる弾劾裁判で3分の2以上の同意に基づく有罪評決が必要。今月20日のトランプ氏退任までに裁判が進む可能性は低いが、ニューヨーク・タイムズ紙が12日、上院共和党トップで議事進行や党所属議員の投票行動に大きな影響力を持つマコネル院内総務が「トランプ氏の党からの追放が容易になる」として弾劾を歓迎する意向を周囲に明かしたと報じるなど、事態は流動的だ。民主党のバイデン新政権の政策推進や高官人事承認の障壁にならないよう、弾劾決議の上院送付と裁判開始を新政権発足から100日程度遅らせて実施する案も浮上している。【ワシントン高本耕太】
https://mainichi.jp/articles/20210113/k00/00m/030/199000c