ワクチン国内輸送にツインバード製超低温冷凍機が米モデルナ分に採用
2021/01/09 15:05 新潟日報

家電製造のツインバード工業(新潟県燕市)が開発した超低温冷凍機が、米モデルナ製新型コロナウイルスワクチンの国内での輸送・保管機器として使われることが決まった。
8日、同社が国内での販売や流通を担う武田薬品工業から計5千台を受注したと発表した。流行の収束に大きな効果が期待されるワクチンの普及に向け、本県の技術が一翼を担う。

モデルナのワクチンは既に米国で接種が始まっており、日本政府も2500万人分の供給契約を結んでいる。
ただ、品質保持のためマイナス20度で管理しなければならず、国内での普及には各医療機関への運搬や保管のための機器確保が必要となっていた。

冷凍機は国内各メーカーが製造するが、中でもツインバード工業が手掛けるヘリウムガスを冷媒とした「フリー・ピストン・スターリング・クーラー(FPSC)」技術が注目を集める。
今回採用が決まった冷凍機は、数分でマイナス80度まで到達する高い冷凍性能が特長だ。武田薬品工業は「確実に保冷環境を維持でき、輸送時の利便性も高い」と評価し、採用を決めた。
温度帯は10度〜マイナス40度。既存の冷凍機に、ワクチンを固定するワイヤや温度を記録する機器を備え付けた仕様とし、2〜4月に納入する予定。

ツインバード工業は「ワクチンの運搬を通じて、新型コロナウイルス感染防止という地球規模の社会課題解決のために貢献していく」としている。
モデルナ製ワクチンは、国内承認の申請に向けて月内に臨床試験が始まる見込み。既に承認を申請している米ファイザー製などとともに流行の収束への効果が期待されている。

https://www.niigata-nippo.co.jp/news/economics/20210109592167.html