【北京時事】中国の習近平指導部はこれまでの発想を根本から覆す「革命的技術」による兵器開発を
急いでいる。人工知脳(AI)や脳科学を活用し、打撃力に頼らない「未来の戦争」で米国に勝利することを想定。
敵兵の脳をコントロールして中国に有利な動きをさせる技術開発を目指している。

 10月に開かれた共産党の重要会議は「最先端の革命的な技術発展を加速し、武器装備のAI化を進める」
という方針を決めた。これに関連し、今月24日付の中国人民解放軍機関紙・解放軍報は「新型兵器は急速に
AI・無人化している」と指摘した。

 中国の兵器は米国製より劣っているものが多く、特に航空機の開発は遅れが目立つ。しかし、米国が十分な
技術を取得していない分野で中国が先行すれば、「伝統的領域や主流技術を追い越すことができる」(同紙)と
判断。この考え方に基づき、中国は新たな兵器として注目されている無人機の性能を急速に向上させている。

 さらに、従来とは全く異なる次元で「未来の戦争」に関する研究を進めている。解放軍報は「作戦は物理・
情報領域から認知領域に広がっている」「破壊力、機動力以外の知力などの充実によって作戦の効果は
最大化される」と強調。重点分野の一つに、脳とコンピューターを結合する技術を挙げた。

 郭雲飛・軍戦略支援部隊情報工程大学校長は6月2日付の解放軍報で、脳科学の研究が進めば、
敵兵の脳内にある文章や音声、映像などの記憶を読み取ったり、電気や磁気で外部から脳に刺激を与え敵兵に
命令に反する行動をさせたりできると指摘。「大脳は未来の戦争の主戦場になり、『制脳権』が作戦の
カギとなる」と分析した。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020122700158&;g=int