「桜」、安倍前首相は不起訴へ
第1秘書、略式起訴方針

 安倍晋三前首相の後援会が「桜を見る会」前日に主催した夕食会の費用補填問題で、東京地検特捜部は安倍氏本人への聴取内容を踏まえ、近く不起訴処分にする方向で上級庁と調整に入ったことが22日、関係者への取材で分かった。
後援会の政治資金収支報告書に夕食会の収支が記載されておらず、特捜部は政治資金規正法違反(不記載)の罪で後援会代表の公設第1秘書を略式起訴する方針を固めている。
 関係者によると、安倍氏は19〜21日まで地元・山口を訪れ、21日午後に羽田空港に到着した。それから東京・富ケ谷の私邸に戻るまでの約5時間半の間に聴取を受けた可能性がある。

https://this.kiji.is/714041834048667648


安倍氏の立件「困難」 桜「夕食会」で聴取―識者

 安倍晋三前首相の後援会が「桜を見る会」前夜に開催した夕食会をめぐり、東京地検特捜部が安倍氏に任意で事情聴取を行った。政治資金規正法違反(不記載)容疑で安倍氏本人が刑事責任を問われる可能性について、識者は「相当難しい」と指摘する。
 元検事の高井康行弁護士は「会計責任者らがうその報告をしたのであれば、安倍氏本人は法的には関係ない」と否定する。
 政治資金に詳しい日本大の岩井奉信教授(政治学)も同様に否定的だ。同法によると、収支報告書への記載義務が生じるのは会計責任者やその補佐で、政治家本人を罪に問うには共犯関係が求められる。「音声テープなど、不記載を指示する証拠がない限り難しい」と指摘する。
 政治団体の代表者は、会計責任者の選任や監督に相当の注意を怠った場合にも刑事責任を問われる。だが、岩井教授によると「実態は努力義務のようなもので、適用は極めて難しい」という。
 検察が本人への聴取に踏み切ったのは「安倍氏は資金管理団体の代表でもある。あくまで十分に捜査したと示すためだろう」と推測した。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2020122200460&;g=soc