PCR検体、全国から東京に 感染者は都内分として集計 国に運用見直し要請

 大阪や名古屋などに住む人が新型コロナウイルスのPCR検査のため、東京都内の医療機関に検体を送り、都内の感染者として集計されるケースが相次いでいる。12月上旬の1週間だけで147人。帰省や仕事などで自主検査のニーズが増える中、地域ごとの正確な感染状況が把握しにくくなっており、都が国に運用の見直しを求めている。

郵送受け付け解禁で都外在住者の検体増加
 8月から郵送でのPCR検査の受け付けを始めた「にしたんクリニック」(東京都渋谷区)は、都内に検査センターを複数設け、殺到する依頼に対応している。1件1万5000円と安くはないが、10万件を超える申し込みがあった。

 自主検査の理由は帰省や出産の立ち会い、出張を前にした陰性確認など多岐にわたる。社内で感染者が出た時に備えて検査キットを事前に取り寄せる企業もあるという。クリニック担当者は「今後、渡航規制の緩和や年末年始の帰省などを考えると、ますますニーズは増えると思う」と話す。

 クリニックへの申し込みの6割程度が都外の在住者だが、陽性者が出た場合、検査情報の取りまとめ拠点がある中央区の保健所に全員分を届け出ている。

https://mainichi.jp/articles/20201211/k00/00m/040/130000c

唾液採取によるPCR検査キット
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