同時に大阪府でも府立学校条例を作り、9つの府立高校の学区制度を廃止し、どこでも受けられるようにしたうえで学校間競争を煽った。その結果、必然的に学力の高い高校に成績のいい子どもが集まるようになり、橋下徹の母校などいくつかの進学校には、それだけ多くの予算を配分し、修学旅行で海外に行くための助成もするが、学力の低い高校は「3年連続の定員割れ」をした時点で自動的に廃校リストに入るように条例化した。電車代などが賄えない家庭の経済格差は、そのまま学力格差にもなる。各地から人材を集めて東大合格者を何人も出すようなエリート校が生まれる一方で、「低ランク」のレッテルを貼られた学校は意欲を削がれ、「クラスの半分が不登校」という学校もあるという。一握りのエリートをつくるために、その他大勢が蹴り落とされる構図となり、大阪府全体の学力は以前にも増して低下している。「次世代への重点投資」というが、その「次世代」とはごく一握りのエリート育成であり、多くは蚊帳の外なのだ。