ビックカメラ、EC売上好調も「一律送料無料」撤廃の理由

 ビックカメラは10月21日10時から、これまで無料だった自社ネット通販サイト「ビックカメラ.com」の配送料を改定する。改定後は、税込み2000円以上購入した場合に送料無料とし、2000円未満の場合に税込み送料「550円〜」となる。新型コロナウイルスの巣ごもり需要などで2020年8月期のEC売上高は想定を上回る1487億円(前期比137%)と急増する一方で、木村一義社長が直接指示したという一律送料無料の撤廃で利益体質の改善を急ぐ。

●2000円以下は採算にあっていない


 10月16日に開催した決算説明会で木村社長は、「(ビックカメラ単体について)単にコロナだけでは説明がつかない収益体質に課題がある。時間をかけずにターンオーバーさせるという強い決意で対処していく」と、自身がラグビーをしていた経験から、相手からボールを奪って攻守が切り替わることを意味するラグビー用語を使いながら、ビックカメラの復活に向けた改革に意欲を示した。

 さっそく一律無料だったECの配送料にメスを入れた。「2000円以下のEC売り上げの構成比がどのぐらいあり、無料によって配送コストがどれだけ負担になっているかを数値化したところ、明らかにビジネスの採算にあってないことが分かった」と、木村社長は説明した。

 たとえ2000円以下のEC売り上げが競合他社に奪われたとしても、有料化することでECの利益が改善するメリットの方が大きかったという。

 20年8月期決算では連結での赤字は免れたものの、ビックカメラ単体では、売上高が4605億円(前期比89.2%)、営業損失が29億円、当期純損失が4億円の赤字に陥った。一方で、コジマは売上高が2882億円(7.5%増)、営業利益が72億円(12%増)、当期純利益が6億円(8.3%減)となり、新型コロナによるテレワークや巣ごもり需要、特別定額給付金などの追い風が吹いた。

https://news.livedoor.com/article/detail/19088036/