日本の無償資金協力で建設が進められていた南太平洋のパプアニューギニアの学校が、日本側が把握しないまま現地当局の指示で取り壊されていたことが分かりました。
会計検査院は、現地の大使館が進捗(しんちょく)状況を適切に確認していなかったのが原因で援助の効果が発揮されていないと指摘しました。
この「無償資金協力」は、パプアニューギニアの子どもたちの学習環境の改善を目的に、平成27年8月に日本政府が返済義務を課さずにおよそ800万円を提供したもので、現地の学校と契約を結んで校舎1棟の建設が進められていました。
しかし、会計検査院が調べたところ、完成間近となった、契約からおよそ10か月後の平成28年6月ごろ、安全性が確保されていないとして現地当局から工事の中断を命じられ、12月に取り壊されていたということです。
現地の大使館は、平成28年8月ごろから学校の代表者と連絡が取れない状況が続き、翌年4月に敷地の所有者から連絡を受けて初めて、校舎が取り壊されたことを知ったということです。
会計検査院は、現地の大使館が進捗状況を適切に確認していなかったのが原因で援助の効果が発揮されていないと指摘しました。
取材に対し外務省は「今後、工事の進捗の確認ができなくなった場合は、確認のための必要な措置を行っていく」と話しています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201020/k10012672671000.html