香港のサウスチャイナ・モーニング・ポスト紙は18日、中国が台湾への武力侵攻に備えて福建省と広東省に陸上発射型の極超音速兵器「DF-17(東風17号)」を配備したと報じている。

特にDF-17の攻撃対象に挙げられている台湾では、DF-17が弾頭部分に採用している極超音速滑空体がマッハ5を超える速度で自由に飛行コースを変更しながら接近してくるため、
台湾が配備している米国製防空システム「パトリオット(PAC-3)」では撃ち落とせない可能性が高いと指摘、
さらに対岸に配備されたロシア製防空システム「S-400」の脅威にも触れ「中国軍のS-400は台湾全域をカバーしており、
空軍の戦闘機が離陸した瞬間に攻撃を仕掛けてくる」と警戒感をあらわにした。

ただ福建省と広東省に配備されたDF-17が台湾だけを標的にしてるという主張には否定的で、
今回のDF-17配備は台湾問題に介入する米国を牽制するのが真の目的で日本に駐留する在日米軍基地や横須賀を母港にしている米海軍第7艦隊を狙っていると報じており、
台湾の王定宇議員(民進党)も今回配備されたDF-17は台湾だけでなく日本や米軍基地も射程圏内に収めているため「日米豪印などの周辺国は容認出来ないだろう」を語っている。

台湾メディアや王定宇議員が指摘した通り、これまで福建省と広東省に配備されていた弾道ミサイルは射程距離が600km程度と短く台湾のみを標的にしていたが、
今回配備されたDF-17の射程距離は準中距離弾道ミサイル(2,500km)に相当するため
沖縄、大阪、東京といった日本の主要都市は勿論、嘉手納基地(沖縄)、佐世保基地(長崎)、岩国基地(山口)、横須賀基地(神奈川)、厚木基地(神奈川)、横田基地(東京)と言った在日米軍も攻撃対象に入るだろう。

さらに問題なのは現状の防空システムでは迎撃困難だという点で、
仮に迎撃できる可能性があるとすれば極超音速滑空体が滑空に入る前=弾道ミサイルのブースターに搭載され打ち上げられている最中ぐらいだが、発射直後の上昇段階を狙うには限りなく射点に近づく必要があるため、
現実的にはこの方法は不可能と言っていい。

https://grandfleet.info/indo-pacific-related/taiwan-df-17-aims-at-us-military-base/

※なお、日本も高速滑空弾として研究中であるが、配備には10年はかかる模様。