生殖の競争というのは、優秀な遺伝子の取り合いになっています。生物にとっては、別種はおろか、同種であっても、
すべて他個体は敵で、とにかく他個体よりも自分の遺伝子を少しでも多く残すことが重要となります。

 このときメスとオスの間には不平等が生じます。子どもを生むことができるメスは圧倒的にオスにモテます。
 一方のオスは、必ずしも全員がモテるわけではありません。メスにしてみれば、オス全員を受け入れる必要はなく、
 そこで、メスはオス同士の間で力比べをさせて、オス間競争に勝ち残った強いオスだけを選ぶように進化します。これがメスによるオスの淘汰=「性淘汰」といいます。

■オスは「使い捨て」の存在

 百獣の王ライオンの群れのリーダーは、成熟したオスです。リーダーは数頭〜十数頭のメスを従えたハーレムを形成します。

 オスがメスを従えていると書きましたが、実際にはメス集団が強いオスを1頭だけ選んでいるのです。強さはオス同士のケンカで決まります。

 メスにとっては、広い縄張りを確保できる強いオスの遺伝子があれば、自分の子どももまた強い個体となって生き残る確率が高くなると期待できます。

 もし、逆にメス同士に争いをさせるとどうなるでしょう。争いに負けたメスは、群れを去るか、殺されてしまうことになります。
種全体にとってメスを1頭喪失するのは大きな問題です。

 オスが1頭いなくなるのはたいしたことじゃない(笑)。そういう意味でもオスは使い捨てなんですね。https://news.yahoo.co.jp/articles/b63f2c8715c1464cea3a360dae34a5ce59d8e3ce?page=4