少量の細胞を採取して増やし、動物を殺さずに肉を得る「培養肉」の
生産技術が世界で進んでいる。世界の先端を走るのが、日清食品HD
と東京大学の共同研究だ。目指すのは厚さ2センチ、タテヨコ7センチと
いう堂々たる「培養ステーキ肉」。100グラムの牛ヒレステーキのイメージだ。
成功すれば世界初になる。4年半後の2025年3月末に基礎技術を確立する
のが目標だという。

■食料と環境を同時解決

「ナノ構造レベルの模倣を追求することで、本物のステーキ肉と区別の
つかないほどリアルな食感と風味、栄養分の実現を目指しています。
消費者の満足度が高い品質を生み出せなければ意味はない、と
考えています」 そう話すのは、「大の肉好き」という東京大学大学院
情報理工学系研究科の竹内昌治教授(48)だ。

培養肉が注目される背景にあるのは、人や社会・環境に配慮した
消費行動「エシカル消費」の広がりだ。家畜を育てるには大量の穀物
や水、牧草地が必要なほか、排泄物は温室効果ガスの排出源になり、
環境への負荷が大きい。さらに国連は2050年には総人口が97億人に
なるとの試算を発表。国連食糧農業機関(FAO)は「畜産物への需要
も70%増加する」と予測し、「温室効果ガスの重要な排出源である
家畜の育成を削減することは、壊滅的な気候変動を回避することに
寄与する」と提言している。

培養肉は、世界的な食肉需要の増大と温暖化防止という課題を同時
に解決できる可能性があるのだ。

以下、長いのでソースで
https://news.yahoo.co.jp/articles/b711d1118a7685032bfb5214dc184b24f0815be5?page=2