群馬県の山本一太知事は、民間調査会社が発表した2020年の都道府県別魅力度ランキングで、群馬県が過去最高の40位(19年は45位)になったことについて
「全くうれしくない。県庁内にチームを作ってランキングの中身を検証する。県として反論したい」と語った。

15日の定例記者会見で、ブランド総合研究所(東京・港)による調査結果について聞かれて答えた。山本知事は調査手法に疑問を呈して
「約3万人調査しているが十分なサンプル数かどうか疑問。インターネットを使った調査なのでデータも偏りがち」と発言。
「このランキングに群馬の魅力が反映されているとは全く思っていない」と不快感を示した。

約10年前に都道府県別の魅力度ランキングが始まって以降、群馬は40位台で推移している。12年には最下位だったこともあった。

山本知事は就任に際して県の魅力度を向上させると訴えた。19年7月の就任後、県庁内にスタジオを設置して動画配信を本格化するなど県のPRに努めてきた。
それだけに毎回、群馬の順位が低迷する結果となっているこの調査に対しては、県議会でも発言するなど以前から不満を持っていた。

「ありがとうございます、聞いてくれて」。15日の定例記者会見での質疑応答で記者から今回の調査結果への質問が出ると、山本知事はこう切り出して不満を一気にまくしたてた。
「魅力度ランキングという言葉自体が不適切。変えてもらいたい」としたほか、同じ北関東の栃木や茨城の順位が低いことについても触れて
「今回、栃木が最下位とは信じられない。福田(富一)知事の心情を思うと複雑」などと発言し、語気を強める場面もあった。

全体で約55分の長さだったこの日の記者会見のなかで、この問題を巡る質疑応答は約7分30秒を占めた。

(前橋支局長 古田博士)

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65110090W0A011C2L60000/