歯止めがかからなかった東京一極集中が、新型コロナウイルス感染症の感染拡大で様変わりしつつある。都内の移住相談窓口を訪れる人が増え、東京は7月、8月と転出超過。
人口流出に悩む自治体側は好機と捉え、兵庫県と神戸市が8月から東京で新たな試みを始めた。移住者の先輩にオンラインで実体験を聞く相談会がこれまでに2回開催され、
「参加して移住への不安が解消した」と移住先の本格選定に入った人もいる。(永見将人)

(中略)

■早速お試し

 セミナー後の女性の表情は晴れやかだった。「移住者同士のコミュニティーもあると知り、安心した。丹波や神戸を軸に本格的に考えます」。
10月中に2週間、県の「お試し居住」を活用し、三田市内で暮らしてみることも決めた。

 コロナ禍で普及したオンライン会議に着想を得たというセミナー。カムバックひょうご東京センターの長谷川美穂所長補佐は
「実際に経験者から良かった点や困った点を聞けるのは、自治体職員や相談員が話すのと全然違うようだ」と手応えを示す。

 自治体側のアピール内容も、コロナ禍を逆手にとるように変わる。神戸市の相談員は、東京23区の人口密度が5倍以上という比較を図で示し、強調した。「(23区は)密ですよね」

https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202010/0013771818.shtml