コンパクト、新型護衛艦進水へ=省人・稼働率向上、22年配備―海自 
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海上自衛隊の人員不足を踏まえ、従来の護衛艦より船体がコンパクトで、省人化した「FFM」と呼ばれる多用途の新型護衛艦(排水量3900トン)が来月にも進水する。2022年に就役し、東シナ海を中心に中国軍艦などの警戒監視任務に当たる。

 海自は狭い艦内での集団生活やスマートフォンの使用が制限される洋上勤務が若者に敬遠され、隊員の募集難が続いている。防衛省によると、海自の現場を支える任期制の自衛官候補生の採用者数は、18年度が計画数の約6割、19年度も約9割にとどまった。

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 FFMは乗組員の省人化とともに、護衛艦の稼働率を上げることを目指し設計。船体は小ぶりで、乗組員も100人と通常型護衛艦の半分、イージス艦の3分の1程度だ。稼働率を上げるために、交代で乗艦する複数のクルー制を導入する。

 三井E&S造船の玉野艦船工場(岡山県玉野市)や三菱重工業長崎造船所(長崎市)で建造され、1隻約480億円。最新の通常型護衛艦より約250億円安い。機雷戦能力もある。

 防衛省は海自の護衛艦を現有の50隻弱から54隻に増やす計画で、中期防衛力整備計画(19〜23年度)期間中にFFMを10隻建造する。将来的にはFFMは22隻となり、護衛艦の半数近くを占める。

 政府は陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の代替案として、イージス艦増隻やミサイル防衛専用艦の新造を検討しているが、人員確保が最大の課題の一つになっている。