石戸:先ほど、新しい歴史教科書をつくる会の名前が出ました。僕は『ルポ百田尚樹現象』の第二部で、百田現象に連なる現象として、つくる会を取り上げました。百田さんのような攻撃的な発言をする人が右派の中から出てきた素地はどこで作られたのか。その決定的な転換点が、1990年代のつくる会だったのではないか、と仮説を立てて取材したんです。

 つくる会のメンバーだった西尾幹二さん、藤岡信勝さん、小林よしのりさんは、歴史教科書の「従軍慰安婦」の記述に違和感を覚え、歴史問題を問い直さなければならないと考えた。それで、朝日新聞や文部省といった権威を設定し、彼らに対抗し、反朝日・反リベラルという敵を作り上げるやり方をとった。今のネトウヨ的なもの、あるいは安倍政権や百田さんを支持する人たちにつながる源流は、このつくる会にあったんじゃないかと。

https://news.yahoo.co.jp/articles/4866b740cbb863b5bd200de59c5f50bd92b557da?page=3